ジュエルペット てぃんくる☆ 総感

本当に大好きで、大切で、自分の心の中のピュアな部分に響く作品でした。

思えば、出会いは全くの偶然だったんですよね。「途中で見なくなったジュエルペットの続編か」などと思って新番組チェックの対象にもしてませんでした。「しゅごキャラ」の後番組と言うことで番宣を見たことがきっかけで、その時にあかりちゃんに一目ぼれしたことが始まり・・・だった気がします。

そして見てみた第1話。初回からここまで興奮した感想は珍しいかも。お話自体の面白さに感動しつつ、スタッフを調べてみて「ななついろ★ドロップス」スタッフだったことにビックリ。エロゲーの原作を甘酸っぱい魔法少女ブコメにしたななついろスタッフが、正真正銘の魔法少女アニメを作るなんて!と期待に胸が踊りましたよ。

で、見ていくと、期待通り・・・いや、期待以上に面白い!感動するエピソードも多くて、ここ1年で流した涙の90%以上はこの作品だったんじゃないだろうか・・・。過去の感想読んでても、かなりの割合で泣いてる気がする。1年という長期シリーズながら、いわゆる「捨て回」がほとんど無かったのも印象的。どのエピソードもしっかりキャラクターの思いを描き出してて、だからこそ最終回の感動もひとしおでした。

あかりちゃんはやっぱり名エピソードが多い。前半の山場である7話、誕生日エピソードのhttp://d.hatena.ne.jp/kkobayashi/20100725/p4:title=17話]、マンガ合宿を通して成長の過程を確かめる27話、ついに祐馬くんに告白した33話、そしてもちろん最終回。あかりちゃんらしいピュアさと不安定さ、そして前向きさや強さ、優しさが伝わるエピソードでした。

ミリアは対照的に明るく元気なエピソードが多くて、14話28話44話と言ったクイーンオブポップ編(?)が大好き。ラブリーすぎるキャラデザに反して意外とお当番回が少なかったりするんですよね・・・。自分の夢を一生懸命追いかけるけど、周りが見えなくなって独りよがりになりがちだったミリアが、あかりとの出会いで変わっていく。その集大成としての42話はシリーズ屈指の名エピソード。あかりとの関係を象徴する48話も素晴らしかったなあ。

沙羅は大変申し訳ないことに、31話のエピソードで感動したもののあんまり気にしてなく。この子をようやく掴めたかな?と思ったのは49話になってからなのでした。改めて考えてみると沙羅なりに色々と思うところがあったはずで、それを踏まえながら今までのエピソードを見ていければもっと深みが味わえたのに・・・と思うと非常に申し訳ないです。

なにげに名エピソードが多いニコラ。チターナとの絆を見せた19話、レオンと堂々たる対決をした43話。嫌な脇役的ポジションに居ながら、ここまで成長を見せてくれたキャラクターってすごいよ。こういうところにもスタッフの愛が感じられてよかったなあ。

お話としては、夢を持つことの大切さ、友達を思う気持ちの美しさ、そんなありふれたテーマだったりします。ありふれたテーマを、奇をてらう事もなく、それでいてお約束でお茶をにごす事もなく、丁寧にキャラクターの思いを積み重ねることで書き出すエピソード。

口先だけの説教じゃ人は動かない。人の思いを動かすのは人の思い。たびたび感想で書いてることではありますが、思いが動かすストーリーというのが俺はすごく好きで。人の綺麗な思いを積み重ねて生まれる奇跡の美しさというのは自分の心の深いところに響いてくるのでした。そういう意味では42話が本作品を象徴するエピソードのひとつだったかもしれません。

テーマに関わる部分としては、キーワードとなる「ほほえみの呪文」ですね。感想読み返して気づいたのですが、26話と対になっていたんですね・・・!そうか、だから最後にほほえみの呪文だったのか・・・!あと、対になってるといえば38話でもラストエピソードの話を繰り返してるんだね。伏線の張り方もお見事だなあ・・・。

大きなテーマに対する感想は51話最終回に尽きるかな。レアレア界には苦しみや悲しみがある。失敗することも落ち込んだりすることもある。でも、それを乗り越える魔法をみんな持っている。だから、自分の夢に向かって歩いて行こう!というテーマにエピソードが集約されていくのもまた感動でした。

異色のエピソードとしては40話の「キラキラコロン」の印象が強いですね。何でも願いが叶うファンタジーアイテムが、現金だったという・・・!そりゃ、何でも願いは叶いますが!!みたいな。


声優的には、何と言っても高森奈津美でしょう!地声は結構低い感じで、ちょっと緒方恵美っぽいよなーとか勝手に思ってたりして。そのせいもあってか、声が安定してない部分がちょこちょこあったりはするんですが、それがあかりちゃんの未発達さというかピュアさというか、そういう部分と妙にリンクしていて素晴らしかった。あかりちゃんの、あの可愛さを引き出せたのは高森奈津美の声があってこそでしょう!恥ずかしがるあかりちゃんのラブリーさといったらもう!

そしてミリアの竹達彩奈かなー。個人的に竹達彩奈のベースの演技をミリアで認識してたりしてて、それで竹達を外したことがほとんど無いので、それなりに正しい認識なのでしょう。去年は大活躍を見せてくれた竹達さんですが、やっぱりミリアの演技が一番好き。堀江由衣との共演も感慨深いですよね・・・。


さて。1クールアニメだと大好きな作品は「もう少しじっくり見たい」的な感想で締めることが多いですが、1年もやってくれると大満足。もちろん終わるのは寂しいし、出来ることならずっと作品世界に浸っていたいのですが・・・。レアレア界にはびこる悪い心をあかりちゃんたちが守るよ!というバトルヒロインモノみたいな延命措置を取られるくらいなら、このまま美しく終わって欲しいという思いはありますね。

キャラクターの掘り下げも味わえたし、広げた伏線は全部回収した。大団円の後の切ない別れ、そして新しい旅立ちで迎えた感動のラストの余韻に今はじっくりと浸りたいです。

ジュエルペット てぃんくる☆」と過ごしたこの1年は本当に幸せで、まさかここまで大切な作品になるとは思ってもみませんでした。もしも「次」があるのなら、このスタッフで新しい作品を見てみたいです。