ひめチェン!おとぎちっくアイドル リルぷりっ 第17話「マーメイド・リリちゃん☆ぷりっ!」

ぴちぴちボイスでライブスタート!

さてさて、まさかの水着回ですよ!リルぷりたちの水着姿が目に眩しいぜ・・・。と思ったのも束の間、マーメイドのリリちゃんが登場!ギャルなのにかわいいなんて!

今回は、ゲストを含めたキャラクターの魅力をストレートに引き出す素直なお話が気持ちよかったですね。リルぷりっのライブからおとぎの国へ帰っていくシーンの盛り上がりもよかったなあ・・・。かき氷で口の中がヘンな色になるという定番ネタの見せ方も憎い!脚本で説明するのは最低限に、作画と演出の気持よさを引き出すお話が素晴らしかったです。

前回のひどさは結構ショックだったのだけど、やっぱ好きだな、このアニメ。

マーメイドのリリちゃん。矢作紗友里でしたかー。第一声で分かったんだけど、所々で「あれ、もしかして竹達彩奈かも」と思う演技があったりして。考えてみれば、こういうハイトーンでテンション高めな演技は似てるのかもなあ。ただ、最終的には「竹達彩奈がこんなにうまいはずがない(笑)」ということに落ち着いたのでした。

それはそうと。登場シーンのピンク頭からギャルメイクまで、ビジュアル的なかわいさもさることながら、台詞の端々から表には出さないおとぎの国の陰の部分が見えてくるのもよかった。

「そうだ、山に行きたーい!てっぺんに登って『ヤッホー』って叫ぶの!山って返事してくれるんでしょ?」
「雪も見てみたーい!」

人間界に来て浮かれるリリ。でもそれは、裏を返せばおとぎの国の生活がいかに単調なものかを示していたりもするんだよね。居心地はよいかもしれないけど、かき氷もなく、山にも登れず、雪を見ることもなく、ひたすら「人魚姫」の物語を作り続けるだけの毎日。

おとぎの国というパラダイスに囚われた、永遠の楽園という牢獄・・・というのは言いすぎでしょうか。しかし、そこにはリリの抑圧された感情があるように思えてなりません。

「あたし、おとぎの国に帰る!帰らなきゃ!」
「山へ行くときは、ルルやロロ、みんなといっしょに行く!」

そして、この台詞。「本当は人間界にいたいけど友達が大切だから戻る」という後ろ向きな目的じゃなくて、「一緒に再び人間界に行くために戻る」という前向きさ。同時に、いつか来るであろう人間界とおとぎの国とが自由に行き来できる未来すら想像させてしまいます。すごく短いので聞き流してしまいがちだけど、このエピソードで一番印象に残った台詞でした。

そんな感じで、実は案外深いエピソードだったりするのです。しかし多くは語らず、あくまでも子供向け作品として楽めればいいようにできてる。そういう作品が俺は大好き。