聖剣の刀鍛冶 総感

いやー、これは面白かった!

初回からかなり面白いと思ってて、かなり期待していたのですが・・・。最後まで期待を裏切らない面白さでした。

まず触れておきたいのは世界観。王道の中世ヨーロッパ的な世界でしたが、作りこまれた街並みや生活風景がすごくリアル。アニメの楽しさは、作品世界にどのくらい浸ることができるかっていう部分もあると思ってて、特に自分はその傾向が強いかも。そんなわけで、世界観が作りこまれてる作品ってのはそれだけで好きなんですよね。日常生活の部分だけでなく、セシリーのいる独立交易都市やお隣の帝国などといった外側の世界についても色々と考えられているようで、重厚なファンタジーの雰囲気を感じさせます。

そして面白いのが、ラスボスとも言える魔王・ヴァルバニルの存在。封印が解かれれば世界に大きな災厄をもたらし、各国の首脳が集まって会議をしなければならないほどの脅威でありながら、その力は精霊信仰(祈祷契約)という形で日常に根ざしている。「神を殺す」魔剣のアリアとか、リーザとヴァルバニルの融合体であるリサとか、キャラクターにもそういった矛盾が色濃く現れていました。特にリサの存在は異色で、ルークにとっては最愛の人と憎むべき宿敵がリサというひとつの体に存在しているという設定が、面白くもあり切ない部分でもあったなあ。

世界観の作り込みからは重厚なファンタジー色を感じるのですが、あくまでライトノベルとしての取っ付きやすさを考えてか、キャラクターの魅力で話を引っ張る構成になっていたのは嬉しいところ。ヒロインのセシリーがメチャメチャかわいかった・・・。どこへ行ってもいじられキャラになってしまう美味しいポジション、そしてたわわに実ったおっぱいの素晴らしさ。胸にぴったりフィットしたプレートは、絶対特注だろ!ということは、作るときはちゃんと正確にサイズを測らねば・・・とか変態的な想像をかきたてられますね!9話の私服(?)もかわいかったなー。

萌えキャラというだけでなく、この重厚な世界観に負けないくらいの真っ直ぐさが気持ちよくて、多少の強引な展開は許せてしまうほどでした。よく分からないけど、セシリーがそう言うんならそうなんだろう・・・的な(笑)。8話で開き直ったところの強さもそうだけど、特にリーザとシンクロした11話以降の怒涛の勢いはすごかった・・・。

藤村歩の演技もよかったね!セシリーの強さとかわいさ、一見して相反する部分が同居する魅力を演じるのはなかなか難しい。そのバランスを保ちつつ、見事に両方の魅力を矛盾することなく引き出してくれたのは最高でした。やっぱり、この人の声には独特の力というか、重みがあるよなあ。

リサに関しては・・・自分の中ではセシリーと対になる存在という以上の興味はあまりないので何ともなのですが。リサの立場から考えてみると、リーザはルークの罪の象徴、ヴァルバニルはルークの憎しみの象徴である訳だから、自分を構成する全てのものがルークを苛んでいるのではないか?という罪悪感と自己否定を抱えながら生きてきたであろうことは想像に難くない。ルークのをことを思うほど、自分の存在が許せなくなるというのは切ない・・・。それでも毎日健気に笑ってることを考えると、やっぱり愛しい子ではあるのですよね。あと、ほとばしる肉汁

っと、何かダラダラ書いてたらきりがないな。作りこまれた世界観と、緻密な作画には毎回楽しませていただきました。アクションシーンがまたカッコイイんだよね・・・。そして何より、キャラクターの魅力が素晴らしい。上では書き忘れてしまったけど、6話から8話までのシャーロット編もよかったなあ。

全体的な完成度が高かっただけに、ルークが魔剣精製をしている間に敵さんが律儀に待ってるみたいな、ラノベとアニメとの時間感覚の違いが気になっちゃったのは残念かも。難しいところではあるんだけどね・・・。

物語的にはまだまだ序盤のはずで、ようやくプロローグが終わって本編の始まり!みたいなところで終わっちゃうのは非常にもったいない。ぜひとも続編が見たいなあ・・・。できれば1年くらいかけて、じっくりと味わいたい作品でした。