テガミバチ 第08話「シルベット・スエードに会う」

ラグがシルベットとようやく出会いを果たす。ゴーシュの回想ではもう少し病弱で線の細いイメージがあったのだけど、意外と・・・いえ、なんでもないです(笑)

何も告げずに行方が知れなくなった兄・ゴーシュ。「兄は死んだ」と言い気丈にふるまうシルベットは強いなあ。足が不自由だというのに、仕事も見つけてちゃんと自立してる。

でもやっぱり、辛くないわけがないよね。自分をごまかして生活するだけでせいいっぱいなのに、ラグのフォローまではさすがにできないか。ラグに会いたくないと言ったのは、兄を思い出させるモノをこれ以上抱えていくのが辛いってのもあると思うけど、ゴーシュを思うラグの姿に昔の自分が重なってしまう部分もあったように思えます。

ゴーシュの生存を信じ続けて、それでも帰ってこない兄に次第に思いが揺らいでいって、最終的には諦めざるを得なくなったシルベット。彼女はそうしなければ生きていけなかったのだから、それをもってゴーシュへの思いが足りないとか、弱い人間だったと言うことはできない。ラグを遠ざけたいという言葉からは、ゴーシュを諦めるに至った背景に隠された苦しみ、未だに兄のことは消化し切れていないモヤモヤとした思いが伝わってくるようです。

「ラグが忘れても、ニッチがラグを忘れないからな」
「・・・だから、ずっと一緒だ」

今回、ずっと小動物的なラブリーさを見せてくれたニッチ。シルベット登場でスカートの中に入っちゃうのはスゴイ。胸の話とかもよかったなー。水樹奈々藤村歩の共演も涙が出るほど嬉しかった・・・!本編では貴重な萌え&ギャグ担当のニッチさんが、凡庸なストーリーに彩りを与えまくってくれます。

さて上の台詞。これもまあ、ベタなセリフなんですけどね。ただ、おそらくこの台詞は遠い未来に真実になることを考えると、重い台詞ではあります。魔訶という種がどのくらいの寿命なのかは分からないけど、いつか必ずラグと分かれる日は来るはずだから。

今までずっと一人だったニッチは何を思っていたのかな・・・とか、一度ラグと別れたときも、ニッチはそう思っていたのかな・・・とか、そういう背景を考えてみると、単に人生経験の少ない子供だから言える台詞ということではなく、実体験に基づく人生観とも思える重みが感じられました。