東京マグニチュード8.0 総感

東京に地震が起こったらどうなるか?という、タイトルどおりのお話。

ものすごく月並みな感想しか言えないけれど、リアリティある東京の描写で極限状態における人間の混乱を生々しく見せてくれた作品。人間の弱い部分や醜い部分、そして強い部分や美しい部分、それぞれがひとつひとつのドラマを形作っているようでした。

悠貴に黒いトリアージが切られる瞬間は本当にショックで、ありがちな脈拍がゼロになる描写(本編でも未来の妄想として出てきましたが)ではない、大災害時における死の生々しさと残酷さを感じずにはいられません。

災害が起こった後のサバイバルというだけではなく、それを通して自分の大切なものを見つめるという部分も大きな話の筋でしたね。全くかわいげのない未来が、真理さんや色々な人たちとの出会いを通して変わっていく。地震が起こってよかった、なんて思わないけど、無くしたものの分だけ手に入れたものだってある。そして悠貴は、未来の良心の象徴としてずっとそばにいつづけるのでしょうね。

彼女の歩き出したその先に、輝く未来がありますように。

追記

きれいに感想を終わりたいところですが、花村怜美についてはどうしても一言触れておきたい。

未来たんのかわいげなさと、時折見せる中学生らしい無邪気さと、悠貴を亡くした後の虚ろな優しさ。生々しい中学生とアニメーションとしてのキャラクターのバランスもあって、微妙な感情表現が難しい子だと思うのですが、すごくよかった。お話にここまで感情移入できたのは、花村怜美の演技のおかげと言っても過言じゃない。

冷静に考えれば大して上手ではなかったはずなんだけど、人の心を動かす演技ってのはテクニックだけじゃないんだということを改めて思いました。もちろん、井上喜久子くらい上手ければ話は別ですが・・・。未来の母親、出番は少ないながらもしっかり存在感を出していたなあ。

追記2

んー、やっぱりこれは連続で見てよかったな。週一だとしたら続きが心配でしょうがない!