鋼殻のレギオス 第08話「かつての敵は廃都と成り果て」

少しずつ強くなっていく17小隊に喜ぶニーナと、対照的に沈みこむレイフォン。

対抗戦での勝利など、汚染虫の破壊力の前には無に等しい。汚染虫との戦いが日常だったレイフォンにとっては武芸大会、ましてや対抗戦での勝利など何の価値もないものだったのでしょう。ニーナがあれほど固執したフラッグが汚染虫の死骸と共に崩れさるシーンは、そのままニーナの価値観の崩壊を暗示するようです。

ただ、ニーナの言う「仲間と一緒に勝利を得て喜びを分かち合いたい」ということに全く価値がないとは思えない。大体、本当に無価値だと思うなら、どうして祝賀パーティーでそんなに落ち込む?興味なさげにしているならともかく、落ち込んだということはやっぱり「無価値」以上に何か思うところがあったんじゃないの?

「いえ、楽しそうだな・・・って」
「戦いたくてウズウズしてるって感じです」

戦いの意味も意義も知っていて、その上で戦いを捨てたレイフォンにどんな背景があるかは知らない。でも、これは単に「他人を傷つけるのはダメだ」みたいな人道的な拒否反応ではないと思うんだよね。

自分の大切な仲間が、自分の否定した戦いに価値を見いだしている。そして自分だけはその価値を共有できない。そんな悲しみと苛立ち、そして少しだけの嫉妬も含んだ感情が言わせた台詞じゃないかなと思うのでした。