ヒャッコ 総感

とにかく不思議なアニメ。

個性的と言えば聞こえはいいけど、変わっていればそれでOKと言わんばかりのバラバラなキャラ設定に始まり、声優もバラバラなら作画もバラバラ、AパートとBパートの区切りすらバラバラ(笑)。

そんなバラバラな作品ながら、終わってみれば確かな作品世界を感じさせてくれる。上園学園という箱庭は、エキセントリックなキャラクターをまとめ上げるだけのキャパシティを持っていたし、単なるギャグアニメとは思えないほどキャラクターの掘り下げも丁寧。

そしてやっぱり独特なのが、この作品に流れる時間感覚。今までの感想でも度々書いてきたけど、この作品って脚本はほとんど何も語ってくれないんだよね。12話もそうだし、6話の龍姫のエピソードもそう。目に見える範囲では本当に表層的なことしか出てこないのに、不思議と内面の思いを感じさせてくれる。それを可能にしたのが、独特の間であり空気感なんだろうなあ。

初回ではその「間」を間延びしたように感じてしまうこともあって「もっとサクサクハイテンションに進めればいいのになあ」なんて思ってたけど、行間の楽しみ方のコツが分かりだしてからはドンドン引かれていってしまいました。いつものような2部構成じゃなくて、1話を丸々使ってじっくり見せてくれた12話は、まさにこの作品の集大成と言えるエピソードだったように思えます。

それにしても。ひそかにボクっ子だったらしい火継ちゃんは、何しに出てきたんだろう・・・?