ストライクウィッチーズ 総感

終わってないアニメの総評をする気はないのですが・・・中間まとめということで。
やっぱり、まず目を引くのは「パンツのようなもの」のインパクトですね。どうみてもパンツなのに、本編では完全にスルーされて、なぜか「ズボン」という呼称になっているという不条理さ。この一点だけでも話題性には事欠かなかったように思えます。
そんなパンツ丸出しのメカ娘たちが謎の生命体と戦うよ!という、中学生の妄想をそのままアニメにしたような作品なのですが・・・。監督の高村和宏の出自の影響もあってか、萌え萌え美少女とガイナックスを髣髴とさせるダイナミックなアクションが、異常なほど調和した作品に仕上がってしまったような。作画のレベルも毎回安定して高く、美少女アクションモノとしても十分楽しめる作品でした。
あまりにもキャッチーなので、一見しただけではネタアニメにしか見えないのですが、その奥に隠された様々なストーリーや背景を読み解くのも楽しみのひとつでした。6話の辺りから段々そういう楽しさが分かり始めて来て、膨大な設定に裏付けられたであろうキャラクターの言動の意図や、8話に見られるウィッチ隊のミックスカルチャーに起因する価値観の相違など、ただの美少女盛り合わせだけではない、その先にあるものが見えてきたような気がします。
同じ世界観のスカイガールズと比較すると、淡々と日常を積み上げることでキャラクターの深みを出すスカイガールズに対して、膨大な設定のごく一部だけを見せることで裏にある深みを想起させるストライクウィッチーズといったところでしょうか。同じ世界観でも、見せ方によって印象が全然違ってくるのですね。
スカイガールズは、普通に見てれば普通に話が頭に入ってくるのだけど、ストライクウィッチーズの方は「裏にある深み」というのを考えていかないと分からないので、普通に見てるとただのネタアニメに見えちゃうんですよね。実際、最初の数話は完全にネタアニメ扱いしてたし。また、キャラ表や関連サイトを読み込んでないと話自体に入り込めないというのもハードルが高かったかも。間口が広そうでいて、ちゃんと見るにはそれなりの労力が必要なアニメだったように思えます。