ARIA The ORIGINATION 第05話「その おもいでのクローバーは…」

持たざるもの、藍華。灯里やアリスといった極端な天才タイプと一緒にいるから余計そう思うんだろうけど、特別な才能を持たない自分に劣等感を持ってしまう藍華。劣等感を持つということは、藍華もそろそろ近い将来としてのプリマを意識し始めたということ。仕事として評価される以上、たとえ友達であってもその才能を純粋に賞賛することができないというのは辛いですね・・・。劣等感をどこまで持っていくかというのは難しいところですが、友達に対してマイナスの感情を持ってしまうことには敢えて触れずに、自分自身の問題として解決へ持っていったのは、ARIAらしい優しいお話でした。
「ないものはしょうがない」「なければ作ればいい」と言うのは簡単に見えて深い台詞。プリマに必要なのは本当に天賦の才能なのか?と考えると、藍華が作るべきなのは才能云々ではなく、いかにしてお客様を喜ばせるかということでしょう。本編では特に深く触れられてませんが、4枚目の葉っぱが赤いハートなのはそのままハートのメタファーなのかな、と思ったりしました。
ウンディーネとしての藍華の実力はよく知りませんが、藍華は他人の才能を引き出す力があると思う。今回の晃さんの件もそうだけど、灯里やアリスだって藍華がいなければ才能の使い方を知らずにいたと思います*1。それだって立派な才能だよね。泣きが天下一品なのも才能だよ!(笑)

  • すっごい作監の癖が出るね!前回のシャープでリアルな絵と、今回の丸っこい絵。どっちもいいね!
  • あれ、演出玉川達文だ。相変わらず少ない枚数で印象的なシーンを見せてくれるなあ。

追記

うーん、何だろう、この言葉にしにくい違和感は。もちろん面白いかつまらないかで言えばすっごい面白いし、これがアニメのシリーズ1期目だったら手放しで絶賛してた。ただ・・・ARIAってそもそも「面白い」「つまらない」を語る作品だったっけ?という思いがあって。作品自体はAQUAの日常を提示するにとどめて、そこから自分なりの考察を入れて初めて面白くなる。つまり、作品自体は面白くもつまらなくもなく、「ただそこにある」という認識でした。だから、今シリーズみたいに話そのものが面白かったり強いメッセージ性があったりすると、それはそれで楽しいのだけど、良くも悪くも「普通のアニメ」になってしまったような。今まで散々迷走した挙句、ようやく自分なりの面白さが分かってきたところだっただけに、「じゃあ今まで苦労してきた俺の立場は・・・」みたいな複雑な心境があったりします。

*1:先生が優秀だから時間をかければいずれ開花するとは思いますが・・・