Myself;Yourself 第08話「秘密のポスト」
他人のために何かできるなんておこがましいけれど、他人を思う気持ちが自体が力になることもある。先生のキャラメルとか心底どうでもいいけど、そういう意味では繋がっていたのかな。
ついに菜々香の背景が明らかになりましたよ!あれだけ引っ張っておいて解決するときは一瞬だなーとも思いましたが、今までの鬱屈した思いが爆発したラストシーンは、シナリオの盛り上がりと音楽の盛り上がり、そして小清水亜美の演技が一つになって、非常に力のあるシーンでした。
火事で焼け出されたときに菜々香が持ち出したのは、自分が一番大切にしているもの。左手のバイオリンが両親の、右手のアクセサリーが佐菜の象徴なのだとすれば、両方の手から大切な支えとなる存在を失った菜々香が壊れてしまうのは想像に難くないでしょう。
変わってしまった菜々香。「私が一番苦しかったときに、そばにいてくれなかったくせに!」という叫びに彼女の全ての思いが集約されているようです。1話で佐菜にビンタをしたときから、それはずっと菜々香の胸のなかでくすぶっていた思いなのでしょう。佐菜が帰ってきてくれてうれしい、でも今さら遅いよ!でも、それでもやっぱり・・・。強すぎる思いとトラウマが人を歪めてしまうのは流行の「ヤンデレ」を参照するまでもありませんが*1、佐菜に会いたいけど会えないという不安、そして自分を放っておいて他の友達と楽しく過ごしていた(であろう)佐菜への嫉妬心が、菜々香に頑なな態度を取らせていたのでしょう。ただ、やっぱり根底にあるのは佐菜への思いなわけで、菜々香の不可解な行動はそんな心の不整合によるものだったのかもしれません。
お互いに「変わってしまった」という佐菜と菜々香。二人の心の不整合が、過去のイメージと現在の姿とのギャップによるものだとすれば、秘密のポストは二人の過去と現在を繋ぐ同期点。過去の佐菜と現在の佐菜、過去の菜々香と現在の菜々香を重ねることで、お互いに相手の現在を認識することができたのでしょう。佐菜は精神的に脆そうなので、5年間あれほど溜め込んできた菜々香の思いを受け止めきれるか少し不安ですが、手紙を全部読んだ上で「何があってもずっと一緒にいる」決心をしたのなら多分きっと大丈夫・・・だといいな。