DARKER THAN BLACK -黒の契約者- 第14話「銀色の夜、心は水面に揺れることなく… 後編」
・・・あなたは、本当の "銀" を知っていますか?
…People.
Do they know the real color of "Silver"?
ねこねこソフト 「銀色」より
今回はシリーズ屈指の名エピソードでした。意志を持たないドールの意志、感情を持たない契約者の感情。世界はまだまだ謎に溢れているね・・・。
「悲しくないのが悲しい」と言い「心が動くとおもった」と言うイン。そしてヘイの元へ帰ることを自らの意志で決める。もちろん「そうプログラムされている」からという可能性は否定できないけど、それでもラストシーンでインが見せた笑顔(?)は彼女自身の意志だと信じたいです。
ラストの、カスティネンの唇に手を当てたり手で口角を上げてみせたりする仕草が印象的。それらは今までのシーンと対を成すと同時に、今回のテーマそのものに対しても対句的な意味をもっています。それはつまり「形から入る」というテーマに対するインなりの答えだったのではないでしょうか。
形と気持ちが両方そろって初めて思いが伝わるのだとすれば、「帰らない」理由を「知らない」と言い「かたちって気持ちと違うよ」と言うインは、思いがあってもそれを伝えるための「かたち」を持たない子。今回過去との邂逅を果たし、キコからも思いを伝える「かたち」を教わることで、以前は手に入れられなかったものを初めて手にしたのかもしれませんね。
もう少しインについて。彼女が求めたものは何か。それは過去でも感情でもなく、居場所だったのではないでしょうか。両親を亡くしてから消えた月、インを「仲間」だというヘイ。銀色の、月光のような浮遊霊の光は彼女の居場所の象徴であり、今の居場所は「イン」としての自分にある。そして月蝕が贖罪の象徴だとすれば、銀色に輝く月光は彼女が唯一救われる瞬間なのかもしれません。