ストロベリー・パニック 第11話「流星雨」

前回の続きらしい、サマースクール。楽しみにしていたはずの渚砂はなぜか浮かない顔で・・・

という今回。前の話でもそうだったんだけど、渚砂の未自覚な恋心を直接台詞で喋らせるんじゃなくて、渚砂の芝居と渚砂を映す鏡である周りの女の子の感情によって表現するというなかなか憎い演出をしてくれます。ハルヒみたいに「ここで凝ったことやってますよ!」と押し付けがましくなるわけでもなく*1、自然な話の流れの中でさりげなく出してくるとこがまたすごい。

ストパニのくせに生意気な!そういうのはもっと作画のいいアニメでやるんですよ!・・・と突っ込みたくもなるのですが、ここぞという大事なシーンにはしっかりと作監修正が入っているので全体的にはそれほど崩れた印象はなかったりするんだよなあ・・・。物語の中に入ってしまえば作画はそれほど気にならない、というのもあると思いますが。

最初の最初、玉青ちゃんの「静馬様がいないと寂しいですわね」という台詞に渚砂が気づかなかったというのがまた深い。普通は「え、そんなことないよぉ〜」とか言うところだと思ってたのに。玉青ちゃんの台詞に気づかないほど上の空だったという渚の今の心境と同時に、渚砂がエトワールさまへの恋心(?)に対して未自覚だったという現在の状態を暗示しているのです。そしてこのシーンと対を成す、帰り道にまっすぐ前を見つめる渚砂。最初の伏線もきれいに回収してて、やっぱうまいなあ・・・。中間でも渚砂とエトワールさまのピアノでさりげなく同期を取ったりしてて、話が発散するのを抑えてくれています。

渚砂とエトワールという軸がはっきりしてるので、安心してその他の女の子達にも萌えることができるわけです。籠女たん萌え!とか、お近づきになりたいのになかなか入れない千代ちゃんが萌えすぎる!!とか、玉青ちゃんの怪しいコレクションとか。しかし千華留さんは何かやってくれると期待していたのに!

千代ちゃんの「お姉さまが幸せなのは分かってるんです」という台詞や、玉青ちゃんの「答えは、渚砂ちゃんが知ってますわ」とか、渚砂をいつも見ているがゆえに気づいてしまう「選ばれなかった自分」が切なすぎる。少女が同姓に憧れるこの気持ちは、心理学的には何らかの通過儀礼にしか過ぎないのかもしれませんが、彼女達自身にとっては紛れもない本物の恋なわけで・・・。

*1:それはそれでハルヒには合ってるのですが