妖狐×僕SS 第03話「ほんとうの契約」

謎多き男・御狐神双熾。しつこく言い寄る女に「キスしてくれたら諦める」と言われたからって本当にキスしちゃうのか!という話。

それが良いか悪いかという以前に、御狐神さんはそういう事ができちゃう男だということ。おそらく、りりちよ様に操を立てるという概念そのものが無いのでしょう。女性に身体で奉仕する?みたいなことは日常的だったようだし。

それを見ちゃったりりちよ様のショック。本人の弁によれば、御狐神は気持ちもないのにキスのような愛情表現ができてしまう人間だ、では自分に向けている無償の愛も本心から来るものではなかった?ということのようで。確かに、それは今までりりちよ様が注がれてきた偽物の愛情とある種同じものではある。

りりちよ様は頭がよい子だから自分の感情を冷静に分析できて、それが真実のように見えてしまうけど、多少の嫉妬心も当然あったと考えていいよね。そして何より、この年頃にありがちな、異性間の肉体的接触に対する嫌悪感みたいなものも大きかったんじゃないかな。

白鬼院の家で力を持たない人間がどれだけ惨めか、お前に分かるか!と父親に言われるりりちよ様。持たざる人間としては、妹さんや父親の方に感情移入してしまいそうではあるのですが・・・。りりちよ様は、そんな自分の悩みが傲慢であることを分かってて、それでも愛を求めてるんだよなあ・・・・・・。

  • あんなに変態的に構ってくる雪小路野ばらさんにも「優しい人だ」と思うなんていい子すぎる。確かに白鬼院の家とか関係ないからなあ・・・。
  • 教室に入るのを躊躇うりりちよ様の手を引いてくれた髏々宮カルタちゃん、いい子だ。