フレッシュプリキュア! 第15話「せつなとラブ 相手を思いやる心!」

せつなのお当番回。隠してる本音が出てしまう能力って・・・これは生々しい迷惑さだなあ・・・。

善と悪、本音と建前。お話としては「本音で言い合えるのが友達」とか「悪口を言ったとしても、人は『相手を思いやる心』を持っている」とかお茶を濁された感じですが、そういった相反する感情の間に立つ少女たちの不安定さと言うか「境界」のようなものを強く感じられるエピソードでした。

美希や祈里がせつなを「許さない」という本音を隠しているということ。それは単に善と悪の二元論というわけではなく、曖昧な境界線の、流動的で循環するもの。ラブを傷つけるせつなは許せない、でも直接せつなを責めるとラブが傷つくかもしれない、それにせつなだってかわいそう、話してみると結構いい子みたいだし、でもやっぱり大切なラブを傷つけるのは・・・。といった感じに、美希や祈里の「本音」は非常に不安定で流動的なものだったんじゃないかと思うのです。

敵キャラを完全に憎まれ役にしないで、どこか親しみをもてるように作ってあるところからも、本シリーズにおける善悪の流動性を感じてしまいます。そう考えると、今回はまさに「フレッシュプリキュア!」というシリーズを象徴するエピソードだったのかもしれませんね。

せつながボーリングの玉を選ぶシーンがよかった。他の3人が自分のイメージカラーの玉を選ぶ中、せつなは赤い玉を選ぼうとして・・・一瞬ためらった後、黒い玉を選ぶ。だから赤い袖の服だったのかー!こういう絵で見せる演出は大好き。