S・A〜スペシャル・エー〜 第19話「歌声・悪者」

うわー、すばらしい、すばらしすぎる!!この感覚を味わえるものが、アニメ以外にあるのであれば教えて欲しい!

芽と八尋かー。ミスマッチなようでいて、これほどピッタリな組み合わせはないのかも。いつも控えめで、S・Aのことを一歩引いた視点で見つめてきた芽だからこそ、八尋の不器用な優しさに気づくことができたのかもね。

今回は、めったに喋らない芽が喋った!という声オタ的な楽しみもあるのだけど、それ以上に芽が喋ったことの意味を重く受け止めたいです。

「悪者ぶって、心配かけさせないようにして」
「でも、じゃあ誰が・・・」
「あなたの心配するのよ!」

序盤に喋っていたのは、確かに明のためだった。でも、ラストシーンで叫んだり、息を切らせるほど走ったりしたのは八尋のため。「竜も純も光ちゃんも喜ぶかな?」と言ってたほどに、大切な人のために歌う歌を、八尋のために歌う芽。あれほど大事にしてきた喉なのに、八尋のために惜しげもなく使ってしまうのは、八尋に同情したから?一人ぼっちの八尋をかわいそうだと思っていた?

八尋の伝わりにくい不器用な思いは、芽の伝わりにくいスケッチブック。決して主役にはなれないけれど、明のことを本当に大切に思う気持ち。八尋と芽は、全く違うタイプのようでいて、実はとても似ているのかもしれません。だからこそ、芽は八尋のために歌ったのでしょう。それが彼女にとって最も強く、直接的に思いを伝える方法だったから。八尋の不器用な優しさの中にある思いを受け取った芽が、それに匹敵する思いを返すには、「ひとりじゃないよ」という対等な思いを伝えるには、スケッチブックではなく「歌」が必要だったから・・・。芽の思いは同情なんかじゃない。八尋の奥にある優しさに触れ、思いに共感し、自分もまた同じ思いを返したいという感情は・・・同情などでは決してない。しかし、恋と呼ぶにはあまりにもプリミティブな思いに、一体どんな名前をつければよいのでしょうか・・・。

八尋も芽にどことなく共感を覚えていたから、小学生レベルの嫌がらせ(笑)しかしてこなかったのかもしれませんね。八尋に感情移入している自分としては、芽という理解者がいてくれるだけでも救われる思いですよ。

  • とはいっても、やっぱり高垣彩陽が喋ってるのは嬉しい。モノローグまで喋ってくれて幸せ。
  • 風邪を引いた光の甘えんぼっぷりがかわいい。が、彗はかわいそうだ・・・

追記

しばらく感想が止まってたのはこの回のせいもあったりする。こうなることが分かっていたから、中々見る決心がつかなくてな・・・。