図書館戦争 第04話「図書司令官ヲ奪回セヨ」

アニメに何を求めるかは人それぞれで、作品それぞれ。ただ、作品に期待するものと実際の作品内容に乖離がある場合、多くは幸せなマリアージュとはならないようです。
で、このアニメ。「図書館戦争」というキャッチ−なタイトルと、図書を巡って戦争するというキャッチーなネタを出されたら、どうしてもそこに食いついてしまうのですが・・・どうやらその辺はgivenであり、深く追求する気はないし、してはいけないらしい。じゃあ何を見るのかといえば、凡庸な「がんばるキャリアウーマン」的なお話と、凡庸なラブコメらしい。
凡庸なお話自体はよいと思うのですよ。設定やキャラクター、(レアケースだけど)演出を際立たせるために、敢えてお話をシンプルに作るのはアリだと思うし、個人的にはそういう作品の方が好きだし。ただこのアニメは、設定も、キャラクターも、演出も、何も主張するところがないんだよね。普通のお話を見て普通に楽しめばいい的な。
「『図書館』『戦争』だから」「『笠原郁』というキャラクターだから」という主張が見えてこないので、ただ画面を眺めて30分が終わってしまう。今回のお話は、それを端的に示してるように見えました。

稲嶺基地司令がさらわれて、それに付いて行く郁。ロクに連絡もできない状況で、郁とタスクフォース・・・というより郁と堂上の信頼関係でピンチ脱出。刑事ドラマ的で面白かった。玄田さんの力技な作戦もカッコよかったですね!
・・・ん、でも、今回の話に郁いらなくね?別に郁の成長とかなくても話の筋は変わらないし*1、刑事ドラマ的な楽しさは十分味わえる。そして、舞台が「図書館」でも「戦争」でもある必要ないような?
「その部分」に期待しなければ普通に楽しめるのですが・・・。でも、その部分を楽しまないで、一体このアニメの何を楽しむの?スタッフは、この設定とキャラクター、そしてIGの作画力を使ってまで、単なる凡庸なラブコメを描きたかったの!?

んー

アニメ版『図書館戦争』はメディア良化法が招いた言論統制の世の中について(今のところ)深く突っ込んでいません。ラブやコメの部分にフォーカスしていますのである意味ドラマ部分に特化しており、これはこれで面白いのですが、作品の持つテーマとして「こんな世の中になったらイヤだなー」(作者あとがきより)という世界と、それに対するプロフェッショナルとしての図書隊もなかなか考えさせられる内容だと思っています。

『図書館戦争』をより楽しむための5W1H - 三軒茶屋 別館

原作では舞台背景も描かれているのか。何らかのバックボーンを踏まえた上でのラブコメなら、違った視点やコンテキストによって新鮮な楽しさがあるのだけど・・・。拠りどころが何もない状態で薄っぺらい話を見せられてもなあ・・・いや、普通に楽しいんだけどさ。

*1:大体、義足が発信機になってるなら郁の立場は一体・・・。