Wake Up, Girls! 七人のアイドル

鳴り物入りと言いますか、何かと話題の絶えない山本寛氏の映画。どんなんなんだろ?と思って見てきました。

お話としては事前情報どおり、WUGがいかにして集まりファーストライブを行ったかが描かれた、TVシリーズ1話に繋がるエピソード。特に見なくてもTVシリーズは理解できるけど、それぞれのキャラクターが(TVシリーズよりは)丁寧に描かれていて感情移入しやすくなってます。まさしく「名前だけでも覚えて帰ってください」というアレですね。

まず仙台というロケーションのチョイスがよい。僕はAKBくらいしかアイドルのことロクに知らないけど、仙台・・・というか関東以北というのは中々難しいらしく、日本の48Gは東京・名古屋・大阪・福岡で東北と北海道はまだ無いんだよね。そういう意味では未開の地・東北*1でアイドルを結成する苦労は共感できる気がする。

季節が冬ということもあって、寒い東北の地が舞台で、キャラデザも敢えてリアルに寄せた顔や髪の造形で、全体的に地味というか閉塞感のようなものがすごく感じられる。そんな地で、お金がなくてデビュー曲もまともにできず、ライブ会場の確保もままならず、衣装も準備できず・・・という最悪な環境でデビューするWUG。それでもステージの上の彼女たちは、可能性の輝きを確かに放ってて。

デビュー曲の「タチアガレ!」。アイドルソングとしてはやや感情的すぎる感じもあるんだけど、アニメソングとして見ればラストの盛り上がりに持ってくるとすごくハマる。もちろんアイドルソングとしても「らしい」と言いますか・・・ラストのライブシーンでは心の中でサイリウム振りたくなるような歌でした。もっと言えば、この曲がよかったから全体的にも何かいい作品だったんじゃないか?って思ってしまうくらいの力はあったかな。

まあ、話そのものは決して手放しで絶賛という訳でもないんだけど・・・

  • 松田は「バンドマンになれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。」みたいなやる気の無さ、社長は何故か夜逃げという設定、必要か?普通に松田はやる気はあるが能力のない新人マネージャーでよくね? とか
  • 主人公不在の物語だったけど、一応ヒロインらしい島田真夢ちゃんがどうしてI1を脱退したか、どうして再びアイドルを目指そうと思ったか、が分からないので感情移入できない とか
  • 他のメンバーも、松田が声掛けたときには「何言ってんだこいつ」的なリアクションしてたのにオーディション応募してるのかよ!なんだそれ とか
  • ライブシーンのパンチラ、やっぱ無い方がいいなあ。後から「パンツ見せアイドル」とか言われるの嫌だよ とか

正直、細かい話については全くついて行けないし感情移入もできなかった。この辺は後の話につながってくる伏線なのかもしれないので現時点では何とも言えないんだけど。

ただなー。今はまだ何者でもない女の子たちが集まって、アイドルになろうとしてステージに立つまでの過程、それを見せられたら応援したくなっちゃうのは仕方ないんだ。特に俺は、アイドルマスターラブライブも完全にブレイク後の後追いだったから、とりあえず出してみたものの受けるかコケるか分からない、というWUGの状態は今後の展開を追いかけてみたくなる欲求が生まれてしまう。とはいえ実際に追うかどうかはタイミングとリソース次第ではあろうけど。

ところで話は変わって、乃木坂46松村沙友理ちゃんもWUG見たらしいですね。

映画みて
松村も頑張ろう!って
改めて思いました;_;!
自分たちの曲があることに感謝!
歌えること踊れることに感謝!
衣装があることに感謝!
応援してくれる方がいることに感謝!
素敵なスタッフさんが支えてくださってることに感謝!
色んなことが
本当に有難いことやって
思いました!

うぇいくあっぷがー るずっ(o・・o) | 乃木坂46 松村沙友理 公式ブログ

こういう感想が出てくるの、現職のアイドルちゃんだからこそだよなー。曲があるのも、衣装があるのも、ステージがあるのも、そして応援するファンがいるのも、決して当たり前じゃないんだ。や、ファンとしては応援したいからしてるだけで、さゆりんはさゆりんらしくしてくれればそれでいいんだよって思うんだけど。

まあそんな感じで。「劇場版みないとTV版の話が分からない」的な話も聞いていたので、どうなんだろう・・・?と思っていたのだけど、特に話に関する部分は何も重要なところは分からずじまいだった。ただ、7人の女の子たちの個性や性格はしっかり伝わってきて、ファーストライブまでの経緯、もう一度WUGやりたいね!という思いの共有という点では見ておいてよかったなと思ったのでした。

*1:もちろんローカルアイドルはすでに居るのでしょうが