この中に1人、妹がいる! 総感

何度も言うようだけど、見れば見るほど「ぼくのかんがえるさいきょうのすたっふ」で構成されたアニメだった。

監督の名和宗則に始まり、シリーズ構成に雑破業、キャラデザに桂憲一郎*1、制作がStudio五組というドリームチーム。そしてキャストも、まさしく勢いに乗った新人声優の佐倉綾音石原夏織StylipS*2日高里菜ちゃんに竹達彩奈大亀あすかと声優ファン垂涎のキャスティング。サブキャラに新谷良子MAKO内田真礼を持ってくるバランス感覚もすごい。そして脇を支える小清水亜美久川綾川澄綾子の安定感。どこを切っても素晴らしい。

しかし、こういうドリームチームはドリームチームゆえにうまく機能しない場合も多いのだけど、本作品はスタッフやキャストがしっかり存在感を発揮しつつ、ひとつのシリーズとしてまとまっていたのがよかった。そもそも「この中に1人、妹がいる!」というタイトルのキャッチーさ。実の妹がいるから女の子ちゃんと一線を越えられないし、実の妹が分かっても彼女を正ヒロインっぽい位置に据えることでハーレムを継続させることができる。よく考えられた構造だなあ・・・。これを妹ありきにすると「kiss×sis」みたく歯止めの利かない作品になってしまうのか。

キスシスといえば。不勉強にしてついこないだの年末に見てみたのですが、これは本作品を見る前に体験すべき作品だったなあ・・・。別にスタッフ名で連想ゲームをしたいわけじゃないのですが、名和監督の中でベースにあるのは間違いないんじゃないかと思うんですよね。当時は無名の竹達彩奈がヒロインで、ゆいかおり大亀あすかまで出てるとなれば、シンクロニシティを感じるなと言う方が無理って話ですよ。中妹も相当ぶっ飛んでるなーって思ったけど、キスシスのネジの外れ方はイカれてやがる。中妹はどうしてナチュラルにこんな狂った話ができるのか不思議に思っていたのだけど、そりゃーキスシスを踏まえたら何だって素面でできらぁな、って感じ。そして、女の子の発情っぷりと、大筋の話を強引に両立させつつ、発情状態から一気にクールダウンさせる緩急の付け方。この辺は脚本の力かなあ。

明るく楽しくちょっとエッチで、ちょっといい話。名作にはなり得ない作品ではありますが、好きなアニメでした。

*1:しかしすげーなあ。今だ健在なりというか、クイブレみたいな古きよきエロゲー的な作品じゃなくて萌えの最先端みたいなエッジ効きまくりの本作品でよくぞ・・・。

*2:昔のグループサウンズみたいになってしまった