2009年 ブレイクした女性声優さん@はてな

2009年にブレイクした声優さんを、はてなキーワードの増加傾向から調査してみました。
2008年分の調査では、「ブレイク」というより「ブレイクしかけ」なランキングになっていましたが、今年はまさしく「ブレイク」の雰囲気がキャッチできているのではないでしょうか!声オタとしては、このグラフを肴にして何時間でもしゃべっていたい感じです(笑)

調査方法

はてなキーワードの「統計グラフ」のデータを使用します。

統計グラフから以下の手順で計算していきます。

  1. キーワードの統計グラフから各月ごとの言及数をカウントします。
  2. 計算した各月の言及数のうち、2008年7月〜2009年12月までの言及数について近似直線を計算します。
    • 近似直線の傾きが、月ごとの言及数の平均増加数となります。
  3. 近似直線から計算した、1月の言及数と12月の言及数の比を取ります。ただし、比がマイナスにならないように、最小値を1にするように補正しています。
    • 同じ傾きでも、言及数100 -> 200 と 言及数1000 -> 1200では元々100だった方が「ブレイク」にふさわしいのでは・・・という考えに基づいています。元々の言及数が少ない人ほど数値が高くなるようにして、より「ブレイク」感が反映されるようにしてみました。

なお「○○さんはベテランだから『ブレイク』と言うのはいかがなものか」という点については、確信犯的にやっているので突っ込まないであげてください。
2007年 ブレイクした声優さん@はてな - エネルギー吸収と発散

結果

それでは結果です。今回は、20位で切るのがもったいなかったので30位まで出しました。ここに載ってない声優さんの情報が知りたい方は、コメント欄か何かでお知らせください。

  • 手順3で計算した「言及数比」でソートしています。この数値は順位付けのために使用しているだけで、値そのものに意味はありません。
  • 「平均増加数」とは近似直線の傾きと同じ意味で、月ごとの言及数の平均増加数です。この数値には意味がありますが、ソートのキーとしては使っていません。
  • 「グラフ」の項目では、各月ごとのプロットと近似直線を描いたグラフが見れます。言及数の元データは、傾向を見るのには向いてないので・・・。
順位 名前 グラフ 平均増加数 言及数比 所属事務所
1 豊崎愛生 グラフ 15.8 4.52 ミュージックレイン
2 丹下桜 グラフ 8.3 4.26 ピクニック
3 日笠陽子 グラフ 7.8 4.06 アイムエンタープライズ
4 竹達彩奈 グラフ 5.7 3.92 アイムエンタープライズ
5 福原遥 グラフ 5.9 3.75 NEWSエンターテインメント・スクール
6 佐藤聡美 グラフ 5.8 2.60 青二プロダクション
7 寿美菜子 グラフ 6.8 2.55 ミュージックレイン
8 伊藤かな恵 グラフ 5.6 2.10 青二プロダクション
9 原田ひとみ グラフ 2.5 2.03 ぷろだくしょんバオバブ
10 野村道子 グラフ 2.4 1.96 賢プロダクション
11 水樹奈々 グラフ 26.0 1.96 シグマ・セブン
12 儀武ゆう子 グラフ 2.3 1.88 フリー
13 内田彩 グラフ 2.0 1.82 JTBエンタテインメント
14 今井麻美 グラフ 4.9 1.81 アーリーウイング
15 三澤紗千香 グラフ 2.2 1.79 キッズネット
16 小松由佳 グラフ 1.9 1.73 青二プロダクション
17 米澤円 グラフ 1.8 1.61 81プロデュース
18 早見沙織 グラフ 3.2 1.61 アイムエンタープライズ
19 本多真梨子 グラフ 1.5 1.58 プロダクション・エース
20 三瓶由布子 グラフ 2.7 1.57 ぷろだくしょんバオバブ
21 堀中優希 グラフ 1.5 1.56 プロダクション・エース
22 高垣彩陽 グラフ 4.1 1.56 ミュージックレイン
23 富樫美鈴 グラフ 1.4 1.54 プロダクション・エース
24 野水伊織 グラフ 1.4 1.52 プロダクション・エース
25 高本めぐみ グラフ 1.8 1.51 シグマ・セブン
26 皆口裕子 グラフ 2.2 1.50 青二プロダクション
27 藤東知夏 グラフ 1.4 1.50 エイベックス・プランニング&デペロップメント
28 合田彩 グラフ 1.3 1.47 プロダクション・エース
29 田中敦子 グラフ 2.2 1.43 マウスプロモーション
30 諸星すみれ グラフ 1.3 1.43 劇団ひまわり

棒グラフにしてみるとこのようになります。横軸は言及数比の順番で、縦軸は平均増加数にしています。

なんというか、2009年のアニメ業界の縮図が見られるような。正直に言うと、2008年のランキングは自分の中であまり納得がいっていなかった部分があったのですが、もしかしたら2009年ブレイクの予兆を表していたのかもしれませんね。

ランキングを見ると、やはり今年は「けいおん!」が大ヒットしたんだな・・・ということを改めて思い知らされます。元々新人を中心にキャスティングしていたこともあって、1位の豊崎愛生はもちろんのこと、出演声優が軒並みランクインしているのはスゴイ。中でも日笠陽子竹達彩奈が突出しているのは、やはりキャラ人気なのだろうか・・・。個人的には、竹達彩奈の活躍には期待してます。「夢色パティシエール」のバニラが超かわいいので、見てない方はぜひ。

丹下桜の声優業復帰とか、まいんちゃん大人気とか、まさかの野村道子さんが深夜アニメにレギュラー出演とか、プロダクション・エース勢の台頭とか・・・。ランキングを眺めていると、2009年に起こった色々な出来事が浮かんできます。

そう言った大きな枠ではなく、個人単位で考えてみると、やはり今年は伊藤かな恵の大活躍について語っておくべきでしょう。作品に恵まれたってのも大きいのだけど、「宙のまにまに」「大正野球娘。」といった目立たないけど評価の高い名作で存在感を発揮できるのはやっぱりすごいことですよ。それまで「しゅごキャラ!」以外でメインキャラクターを演じてるのは見たことがなかったので、新鮮な驚きがあったなあ・・・。ラジオなんかでは子ども扱いされてる感じですが、「役者」としての伊藤かな恵の話が聞ける機会があればいいなと思います。

それから、儀武ゆう子。突如として謎のブレイクを果たした儀武さんですが、いったい何があったのか・・・。これはホント謎ですね。ていうか、「こいこい7」のイメージしかなかったので、「青い花」のあーちゃんみたいな演技は意外だったなあ。ラジオだと若干ウザイ感じ*1(笑)なのに、どうして役だとあんなにカワイイのか・・・。やっぱり謎です。

そして、補正を入れたはずなのにランクインしている水樹奈々はすごすぎる。

結果 + 補足

10位くらいまでの方について、上でリンクしたグラフを貼りつつ補足説明を入れる・・・というか、単に語りたいだけです。

1位 豊崎愛生


1位は集計するまでもなく豊崎愛生でしょう。去年「個人的には好きなのですが、ブレイクと言うには少し早いかも」などと書いていた頃は、まさかこんなことになるとは思いもしませんでした。もちろん、いつか必ずブレイクするとは思ってましたが、まさかこんなに早く、しかもこれほどの大ブレイクとは・・・。「けいおん!」でファンになった方が「ケンコー全裸系水泳部ウミショー」を見たら、声の違いにビックリするかもしれませんね。

2位 丹下桜


丹下桜の名前を現在進行形でこの日記に書けるとは・・・。10年待ったよ!
活動再開の仕事となった「ラブプラス」が空前絶後の大ヒットになるっていうのも、「この人は何かを持ってる」という思いを感じずにはいられませんでしたね。思わず昔語りにも熱が入るというものです。

3位 日笠陽子


豊崎愛生は遅かれ早かれ必ずブレイクすると思っていたので、そういう意味では「けいおん!」の恩恵を一番受けたのは日笠陽子なのかも。ただ、役者としてはまだこれからだと思いますので、本当の意味でのブレイクはもう少し先なのかな。

4位 竹達彩奈


上で書いたとおり、かなり期待してます。

5位 福原遥


「声優」に分類するか悩んだのですが・・・。「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」の人気が意外に大きいことと、まいん役を交代するのでは?という噂があることなどを考えて、とりあえず今年は取り上げることにしました。しかしまあ、「けいおん!」勢の中に混ざってるとすごく違和感が(笑)

6位 佐藤聡美


本来は大人しめの役が多いんですよね。今やってるアニメだと「あにゃまる探偵 キルミンずぅ」のリムみたいな。今年はどんな活躍を見せてくれるのでしょう。

7位 寿美菜子


ミュージックレインの声優さんで1人だけ声を聞いたことなかったのですが、ようやく今年になってアニメで声が聞けるようになりました。前回の調査時点で分かっていた「よくわかる現代魔法」とか「初恋限定。」って、演技力を求められてないよね・・・。ムギもダジャレで選んだみたいなキャスティングだしなあ・・・。などと失礼なことを考えていた自分にとって、「うみものがたり〜あなたがいてくれたコト〜」の夏音はすごくよかった!いや、実を言えば、夏音自体は大して上手くなかったんだけど、ポテンシャルの大きさが感じられたのがよかった。代替の効くテンプレートではなく、寿美菜子にしかできないキャラクターにいつか巡り合えるという期待をさせてくれました。今年の活躍が楽しみです。

8位 伊藤かな恵


上に書いたとおり。キャラクターの作りこみがすごいというか、何か自分の中に明確なキャラクターが存在していて、そこから演技を引き出してるようなイメージがあるんだよなあ。役作りとかどういう風に考えてやってるのか、すごく聞いてみたいです。

9位 原田ひとみ


バオバブの新星。「ドリームクラブ」の発売近辺から徐々に言及数を伸ばしてますね。今年は「バカとテストと召喚獣」「ひだまりスケッチ×☆☆☆」に出演しています。

10位 野村道子


さすがにこれは「ブレイク」とは言わない・・・。それはさておき、「けんぷファー」のハラキリトラはすごいインパクトでしたね。最終回ではナツルの声までやっちゃって、なんか感動すら覚えてしまいました。長年アニオタやってると、色んなことがあるなあ・・・。

11位 水樹奈々


おまけ。11月と12月の増え方がすごい。

22位 高垣彩陽


おまけ その2。出演作品数で言えば2008年より少ないくらいなのですが。大きな話題作がなくても、着々と成長してる感じがいいですね。

追記

参考情報。

名前 グラフ 順位(言及数) 順位(ブレイク) 所属事務所
堀江由衣 グラフ 4 48 VIMS
大原さやか グラフ 25 933 俳協
花澤香菜 グラフ 27 80 大沢事務所
藤村歩 グラフ 58 173 賢プロダクション
悠木碧 グラフ 132 45 プロ・フィット
南條愛乃 グラフ 144 36 ドワンゴアーティストプロダクション

*1:ファンの方ゴメンナサイ