咲-saki- 第14話「存在」

デジタル的にはダマテン(ヤミテン)よりも棒テン即リーがいいんだってさ。

・・・と言ってみたところで、和にも龍門渕透華にも全く興味が持てないもんで、この半荘は適当に流してみようかな、などと思っていたのだけど・・・まさか鶴賀学園がこんなに気になってしまうとは。まさにステルス、盲点すぎるところから思わぬ子が心を動かしてくるとは・・・。

そんなわけで、東横桃子さん。影が薄いからリーチにも気づかれにくい、というのは得てしてギャグ設定になりがちなのですが、ここまで真っ直ぐなお話を作ってくるなんて。

「先輩」
「わたしが見えるっすか?」

確かに桃子を「見つけた」のは加治木さんかもしれない。けど、俺が感動したのはそこじゃないんだよ。いくら加治木さんが桃子を欲しくても、自分から外に出る意志がなけりゃ誰にも見つけてもらえない。加治木さんが桃子を見つけられたのは、桃子が自分から「見つけてもらいたい」って思ってたからなんだよ。

他人とのコミュニケーションを諦めながらも、麻雀によって他人との接点を求め続けていたことは想像に難くない。それは桃子にとって、自身の存在をアピールできる唯一の場所だったのかもしれません。リアルでは自分を見ることができなくても、ネットでなら見てもらえる。でも・・・やっぱりリアルな自分を見て欲しい。そんな思いがあったからこそ、加治木さんの思いに呼応し二人が出会うことができたのです。

単に加治木さんが桃子を見つけたって話ならこれほど泣いたりしない。桃子が、自分から手を伸ばしたことにこそ感動があるんですよ。明日も仕事だってのに、酔った頭で一生懸命感想を考えてしまうほどに・・・。