今さらながら「涼宮ハルヒ」
「涼宮ハルヒの○○」というタイトルをつけようかなーと思ってたけど、あまりにも寒いのでやめることに。
まあそれはともかく。ちょっと思い立って、ハルヒシリーズの原作を読んでみたくなったので買ってきました。最近はamazonで買ってばかりだから、久々に本屋でオタク本を買うのは恥ずかしい・・・。しかも微妙にブーム逃してるし。「いやー俺オタクじゃないんでよく分かんないけど、涼宮ハルヒってのが人気なの?ちょっと興味本位で買ってみようかな、俺オタクじゃないけど」みたいな脳内暗示で買ってきましたよ。
まあそれはともかく。俺はアニメから入った人なので、まずアニメとの比較っていう観点で言えば、驚くほど原作に忠実にアニメ化したなと。それは質の悪いエロゲーアニメにありがちな、原作のテキストをそのままアニメに写したって言うんじゃなくて、原作を読んだときのイメージをそのままアニメに投影してあったってこと。言い換えれば、原作の内容を消化して、アニメとして見せるために再構成してあって、原作の世界をイメージそのままにアニメで見ることができました。
ただ、それはいい意味と同時に悪い意味でも原作に忠実で、アニメを見たときに疑問に感じた「なんでハルヒはキョンのキスで元の世界に帰ったのか」とか「ハルヒの心の成長は描かれるのか」とか「時系列シャッフル無しで見たら何か変わるのか」とか、その辺の違和感は原作でもそのままでした。ハルヒの成長はキョンの一人言としてしか語られず*1、「ライブアライブ」は原作でも唐突でした。この辺の違和感が解消されることは結構期待していただけに、残念。
全体としてみれば、「そこそこ面白かった」という感想。既刊8巻のうち半分は短編集で、短編はイマイチ盛り上がらなかった印象。でもその分長編は面白くて、特に「消失」編の面白さは圧倒的。この巻を読んだらアニメの続編を希望せずにはいられないなあ・・・。「退屈」編からあえて「笹の葉ラプソディ」を抜いたのには理由があるって思いたいよね?
と、そんな感じ。オススメできるかっていうと・・・正直微妙かな。でも「消失」だけは文句無しにオススメ。
↓以下、各巻ごとの感想。超グダグダなうえにネタバレなので見たい人だけ見てくださいね。
涼宮ハルヒの憂鬱
- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/06/01
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ハルヒはなんでキョンなんかを好きになったんだ?とか、何でキスしたら元の世界に戻ったんだ?とか、アニメを見ていて色々と疑問に思ったことが原作を読めば分かるかなと少し期待していたんだけど、残念ながらそういう情報量は原作も変わらないのね。メタな事情をもとに判断するのは心苦しいんだけど、「憂鬱」編が長編の中の一編ではなく、スニーカー対象に応募した完結している作品とするのであれば、ハルヒの気持ちは「憂鬱」編から読み取っていくのが筋というものでしょう。なので原作を読んだ今でも、その辺の解釈はid:kkobayashi:20060705:p1で書いたものと変わってないです。
ハルヒはキョンが好き、だけどキョンはハルヒが好きじゃない。セカイを思うとおりに動かせる女の子が、唯一思い通りにできない男の子。キョンが特別な存在だとするのなら、これだけで十分な理由でしょ?
涼宮ハルヒの溜息
- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店
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ともかく、これでアニメ版の1話の謎が解けた。あの自主制作映画の裏にはこんな話が隠されていたのね。
涼宮ハルヒの退屈
- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店
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それにしても、こういうことを言っては何だけど、アニメのほうが面白かったね・・・。いや原作に期待しすぎだったんだろうけど*4。
涼宮ハルヒの消失
- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店
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ああ、これはすごいわ。初めての原作オリジナル(?)エピソードだったんだけど、これは面白い。人気が出るのも分かるわー。「日常」に変わってしまった世界から「非日常」を取り戻すキョンの姿はなかなか熱いものが・・・。お話自体はよくあるタイムパラドックス形式なんだけど、その中で思い悩むキョンの姿とか、変わってしまった世界の中で変わらないハルヒの姿を見つけたときの安心感とか、少しずつ話を進めていくドキドキ感とか、すごいよかった。この話、アニメで見たいな・・・。「続編を作ってほしい」という意見に今までは何とも思ってなかったけど、確かに続編作ってほしい気持ちも分かるかも。
あと、普通の文芸部員になってしまった長門さんが萌え。多分あれは彼女の望んだ姿なんだろうなあ・・・。寡黙で引っ込み思案で、だけどキョンに恋する普通の女の子になりたかったのでしょう。でも、なんか長門さんが主役みたいになってないか?表主人公がキョンだとすると、裏主人公は長門さんでしたね。
時系列シャッフルといえば、原作自体が時系列シャッフルなのね。なるほど。
涼宮ハルヒの暴走
- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/10/01
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「エンドレスエイト」はエロゲー好きにはたまらないシチュエーションだったんじゃないかな?涼宮ハルヒのビューティフル・ドリーマー。歌月十夜なんかそのまんまだよね。この手のネタはゲームの方が面白くなるんだけど、ここで長門さんというメタな存在がうまく生きてました。
「雪山症候群」・・・ほんと時間ネタが好きなのね。なかなか進展しないハルヒと長門さんがもどかしいな!淫夢なんかも月姫を思い出させるよなあ。それぞれの夢がどうだったのかも妄想を誘いますね。やっぱり長門さんが主人公な気がするのは気のせい?
ところで、鶴屋さん、全然「めがっさ」も「にょろにょろ」も言わないのね。意外なことに。微妙にヘンな語尾を駆使する人ではありますが・・・。というか、この人の正体が一番謎だよ。Kanonでいう秋子さんみたいなもんかね?
ってなんか妙にそっち系のエロゲーを思い出させるんだよなあ、ハルヒを読んでると。スレイヤーズは古きよきラノベっていうか、俺のラノベのイメージはまさにこういうのなんだけど、最近のラノベは段々エロゲー的なシナリオに移行しつつあるのかもね。それがいいとか悪いとかは分からないけど・・・。
涼宮ハルヒの動揺
- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/03/31
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文化祭編かな?「ライブアライブ」とか「朝比奈ミクルの冒険」とか話題作(?)が多い巻ですが、全体的にはそれほどでも。「ヒトメボレlover」の長門さんがかわいーなあ。
涼宮ハルヒの陰謀
- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
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お話的には、最近めっきり出番が少なくなったみくるのお当番エピソードってことでいいのかな?対抗勢力なるものも出始めて、大きなお話の動きがありそうな予感。